ずいぶん前のことだけど、僕は飲み屋ですごく酔っていた。
隣には若いホステスさんがおり、グラスが空くとすかさずウイスキーを注いでくれた。
途中から、僕の意識がぼやけ始めた。
天井が回り、音楽が火星か木星の彼方で鳴り響いている。
僕は誰?
どこかで警笛が鳴っている。
「家に帰りなさい」
素直に従うことにして、ヨッコラショと上体をソファの上で直立させる。
あれ?
隣にいるのはさっきの子じゃなくてオバサンじゃねぇか。
「さっきの子はどうしたの?」
「え?私はずっといましたけど?」
納得できないのだが、記憶が定かじゃないんだな、これが。
なんでこんな思いまでして金払って外で飲むんだろう。
だれか、おしえてぇ~