5月19日のバンコク。
2か月以上に及ぶ赤シャツによる騒乱がクライマックスを迎えた。
スクムヴィットにある会社とアパートの、目と鼻の先にあるバンコク銀行クロントイ支店が襲撃され、建物の中が全焼した。同時に3チャンネルの入るビルで手榴弾が数個爆発。
周囲は黒煙に包まれ、停電、断水、気温は41度、ひどいこになってしまった。
テレビもインターネットも使えないなか、タイ人の社員から夜間外出禁止令が出たと連絡が来る。
同じ通りに住む若手の日本人達には、小さな子供たちがおり、明るいうちに地域からの脱出を決めた。
彼らが出発したのを確認し、僕は一人シラチャへ向かった。
長年の友人が管理するサービスアパートに、サラデェン在住の幼馴染が疎開中なので、そこに転がり込んだ。
世に生まれて半世紀と3年目にして、初めて疎開を経験した。たった一泊だけど。
アパートのベランダからの光景。
バンコク銀行クロントイ支店が焼き討ちに会い、写真で見るより濃い煙が充満した。