静寂が戻ったバンコクの町。
焼けただれたビルやトラックの残骸を見ると、一体あの騒ぎは何だったのだろうと、虚しさだけが残る。
放火、爆破、銃撃、略奪・・・、これは正常な人間のやることではない。
いかに主義主張があっても、やってはいけないことだ。
タイは諸外国の信用を著しく失ったと思う。
狂った暴徒に住居や商店を焼かれ、泣きじゃくる人々。
居場所を明かさず、通信によって自己を支持する集団に狂気の命令を発する元首相。
すべての罪をなかったことにし、没収した財産を返却しろと、現首相にプレッシャーを掛けているという。
これは、自分を追放した国家への、宣戦布告ではないのか。
騒乱の傷あとは、人々に不安と恐怖を与え続け、終わりのない抗争に発展・・・そんなことにならければいいが。
こんな美味しいマンゴスチンを食べられる国なのに。