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家族と市内中心の百貨店で買い物を済ませ、私の運転で住まいに向かう。地下駐車場から出ると、例によって見渡す限りの大渋滞はバンコク名物である。 ちょっと動く車列に自分の車の鼻先を食い込ませ、5車線一方通行の大通りの一番左から一番右の車線まで、私はカニの横歩きのように移動する。十何年も住んでいれば、その国の運転の呼吸は自然に身につくもんだ。 私は先に見える交差点を右折するんだ。いま信号は緑だけど、私が着くまでもたないことは明白。一車線しかない右折車線に入るはずが、見込みより早く赤信号になってしまい、車列は車間距離をつめた状態で停止。これで私の入る余地はなくなった。 私は車を超低速で徐行させ、時間を稼いで信号が緑になるのを待つ。ジワ、ジワっと匍匐前進。忍耐の限界に近づく寸前、信号は緑に変わった。 右横直前のタクシーと真横の小型バスの間が空いた。私はスーッと隙間に割り込み、何事もなかったかのように右折に成功した。そう、ここは何百回も通過した交差点。目を閉じても通り抜けれるほど体に馴染みこんでいるんだ。 車を直進に立て直したその瞬間、私は前方の暗闇(ここは立体交差点の下)から飛び出た警察官の姿を確認した。警察官の手には懐中電灯が握られ、止まれ止まれと手招きしている。どう見ても、手招きされているのは私であった。 「こんばんは。お急ぎのところ恐縮ですが、免許証を拝見できますか?」 警官は私がタイ人だと思ったらしく、早口のタイ語でまくし立てた。渡した免許証で私が日本人であることがわかったようだが、これからどこへ行くのか訊いてきた。私は家に帰ると答えた。 「さっき右折の前に割り込みましたね。あそこはレーン変更禁止です。反則金は1000バーツで、免許は預かりますので、明日以降警察署へ出頭して罰金を納めてください、よろしいですね」 私はこれまでに何度も警官に止められた。初めての頃は緊張したし、連行されて留置場にでも入れられたらと思うと怖かったが、回を重ねるうちに、やり取りも面白いと思うようになった。理由は単純で、運転中に交通違反を咎められて停止させられたら、免許証の下に100バーツ札を畳んで渡せば、十中八九は見逃してもらえるからだ。 しかしその日の私は、いつも通る道で、違反を犯した意識もなかったので、100バーツのワイロを払うのが納得いかなかった。そして、前々から考えていた方法を試すことにした。 「はい、わかりました。明日会社の者と出頭しますので、免許証の預り証と、警察署の連絡先をください」 警官は一瞬面食らった表情をした。もしも免許を預かったら、正式な検挙となるので罰金は国庫に納められる。イコール、自分の取り分は一文もなくなるのだ。 やった!私の狙い通りである。 警官はしばし思案して言った。「私が手続をしてあげます。罰金も500バーツにするよう調整しますので、ここで払ってください」 「いいえ、いまは500バーツも持っていないので出頭して1000バーツ払います。はやく預かりを書いてください」 警官も粘る。「それでは一緒に署まで来てください。ここでは預かりが書けません」 私も意地だ。「いいでしょう。一緒に行きますので白バイで先導してください」 こうして、私は白バイの後ろに着いて車を発進させた。一緒にいるかみさんと娘が不安そうにしている。「ねぇ、おとうさん、本当に警察に行くの?捕まっちゃったらどうなるの?」 ペッブリ通りを数百メートル進むと列車の踏切があり、上の高架を高速道路が横切っている。右折すると高速の料金所がある。白バイは私に手招きしながら右に曲がって止まった。私は白バイのすぐ後に車を止めた。 「署はまだ遠いので、ここで手続をしましょう。100バーツでけっこうです。あとのことは小官にお任せ下さい」 ほう、そうきましたか。それなら早くそう言えばいいのに。 私は渋々を装いポケットから100バーツを出して手渡した。警官はサッと札をしまうと、右手で敬礼をして「どちらへ向かわれますか」と尋ねた。私はこのまま高速に乗って家に帰ると答えた。クロントイ港出口から住まいは近い。 警官はすかさずホイッスルを取り出し思い切り吹いた。 ピー!ピピピー! 料金所に向かってくる車列が急停止した。警官は停止した車に、留まるよう合図し、私に向かって挙手するのであった。 私は警官に会釈して車を発進させた。 ここタイでは、珍しくもない話である。 *参考*1バーツ/約3円
by bob_jones
| 2006-02-10 19:08
| THAI LIFE
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