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その日の夕方、生家の奥さん、高校生の長男、中学生の妹さんに連れられて、僕たち兄弟は獣医さんを訪問した。そこには今のご主人と中学生の長男君が来ていた。 僕ら兄弟は、タイル張りの床に下ろされ、勝手気ままに医院の中を歩き回った。僕たちの頭上で人間たちの会話が交わされていた。どうやら、新しい飼い主さんが、僕たちを連れて帰るらしかった。 生家の奥さんが説明した。「こっちが兄、あっちが弟。長男の方がいたずら好きで、次男は少し恥かしがり屋さん。どちらも健康で良く食べますよ」 僕は初対面の長男君に両手で抱かれた。14歳だと言っていたが、大きな手だった。僕は長男君の顔を舐めた。これは犬の敬意を込めた挨拶だ。舐められた長男君は、嬉しそうにケラケラ笑って、くすぐったいと言った。 長男君のお父さんが「どっちが気に入った?」と訊ねると、長男君は僕を撫でながら「この子の方が僕に寄って来るから、こっちにしよう」と、僕を再度抱き寄せた。 僕らの犬種は、先祖代々人懐っこいのが特徴で、何もわからない僕は長男君に抱かれてとっても嬉しかった。そう、まさか自分の兄とここで別れることになるなんて、これっぽっちも思わなかったんだ。 それからしばらく、僕たちはまた床で遊び、人間たちは会話を続け、僕は獣医さんに抱かれて診療台に載せられた。獣医さんの手には銀色に光る注射器が握られていた。 う!痛い! チクっと痛みを感じた。ワクチンを打ってもらったのだ。 そしてまた長男君に抱っこされながら「お兄さんにバイバイしなさい」と言われた。僕は兄の方を懸命に見たが、何も知らない兄は檻の中にいる猫に夢中になって尻尾を振っていた。 僕が生れてから、ずっと世話をしてくれた優しい高校生のお兄さんは、目に涙を浮かべて手を振っていた。妹さんはお母さんの腰に手を回し、悲しそうに僕を見ていた。 そうして、長男君に抱かれたまま、僕は獣医さんのドアを出たのだ。時刻は夕方で外は暗くなっていた。風が強く、僕は必死に長男君につかまって首を彼の肩に乗せた。 長男君は僕をしっかり抱いて歩きながら「ボビー、ボビー」と呼んだ。 ― 続く ―
by bob_jones
| 2004-11-05 21:28
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