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僕が連れて行かれたのは、獣医さんから遠くないマンションだった。生れて初めてエレベーターに乗ったときは恐くてドキドキした。 エレベーターを降りると、すぐ横の大きな木の扉が開かれ、長男君は僕を下ろして「ゴー、ゴー」と背中を押した。すると中から、初めて会う女性が二人、大手を広げて駈け寄ってきた。 ママとお嬢さんだった。お嬢さんは屈んで僕を抱きしめ、長男君に「名前はなんてするの?」と訊いた。 長男君は「ボビーだよ。前から犬が来たらボビーにするって決めてたんだ」と答えた。 生れて3ヶ月、僕には名前がなかった。兄弟たちと賑やかに暮らし、一緒に食べて、寝て、遊んだ。呼ばれなくても兄弟と離れなければ不自由はなかったのだ。というか「名前」そのものが何かも知らなかった。 こうして、僕の新しい生活が始まった。庭のある一軒屋からマンションに移った。前の家では庭が生活の場だったから、壁に囲まれたマンションはとても戸惑った。 新しい家族に迎えられて、最初にやったことは居間でオシッコをしたことだ。ずっと我慢していたのだけど、土がないからどうにもならない。 オシッコをしただけで、家の中は騒ぎになった。しかもご主人が10年以上大切にしてきた小さなペルシャ織りの絨毯にしたものだから、なおさらだった。 上から僕を取り囲むお家の人たちが、僕を冷たい目で見ているような気がして、恐ろしいほど不安になった。そしたら急に、自分の兄と生家の人たちを思いだして涙が出てきた。僕はおびえながら、部屋の隅に身を寄せた。 僕はその日、朝ご飯を食べただけだったので、すごくお腹が空いていた。いつもなら兄弟たちと先を争って大きなタライに顔を突っ込んで食べるのだけど、この家では何かを食べさせてもらえるのだろうか…。 そのとき、お嬢さんが「ボビー、お腹空いてるんじゃない?」と長男君に訊いてくれた。こんなに嬉しかったことはなかった。 長男君が、獣医さんからもらった数回分のペットフードを皿に盛ってくれた。僕はそれを無我夢中で食べた。 「うわぁ!ボビー!こんなにシッポ振ってるぅ!」 エサをもらった僕を見て、お嬢さんが大きな声で言った。 もしかしたら、この家の人たちは僕のことを嫌いじゃないのかも知れない。 ― 続く ―
by bob_jones
| 2004-11-08 15:25
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